掲載:2024年11月 最終更新:2025年2月
参天製薬と昭和薬品化工の抗リウマチ、医科事業を継承して2015年に設立されたあゆみ製薬様。「あゆみ」という社名には「すべての健康を願う人々が苦痛なく、自らの足であゆみを進めていただけるように」という思いが込められています。
特に「関節リウマチ分野のスペシャリティファーマ」として医師・薬剤師の先生方に薬剤の基本情報や副作用等について細かくご案内するとともに、個々の患者さんに適した治療についてご相談いただける体制を整えるべく、企業全体でさまざまな取組を推進されています。
あゆみ製薬株式会社
執行役員
ロジスティック&システム本部 本部長
CIO 細川 民雄 様
企業経営者の観点からすると、生成AIをどういった観点で有効利用すべきか、まだ見えにくい要素があると思われますが、ITに携わる立場として生成AIが出現した際に、「アイデア次第では効果的に活用できる」と認識しました。
そこで当社のミッションである、医療従事者へ必要な情報を届けるという重要な業務を担っているMRの活動において、生成AIを活用して医療従事者のニーズにさらにお応えすることが最優先と考え、データドリブン型のアプリケーションの設計開発を進めました。
主目的は日々の業務における「気付き」を促し、「やっているつもり」を無くしていくことです。
例えば、医療機関や従事者の方たちへの最適な情報提供について、MRは日々、担当する薬剤の情報を必要とする医療従事者の方々に情報提供を行っていますが、100%ではない可能性もあります。
その際、生成AIが様々なデータソースから医療従事者の方々のニーズを解析し、
などのテンプレートを実装した、生成AIアプリとなっています。
まだ試験運用の段階ではありますが、先行評価に協力してもらったMRからはすでに具体的な声も出ています。
こういった事例もまた、データとして今後の分析に活かされますので、質の高いナレッジの共有が生成AIを通じて活発に行われることで、医療従事者の方に喜んで頂くサイクルが生まれることも期待されます。
まずは技術的な課題として、生成AIを実際に利用できるレベルにする、つまり期待するような回答が正確に出てくるようにするまでに時間を要しましたが、Azure OpenAI Serviceの提供企業であるMicrosoftのエンジニアチームによるサポートも受けることができ、納得いく挙動をするアプリができたと思います。
データソースとAzure OpenAI Serviceを紐づけるにあたっての、データレイク、データウェアハウスの位置付けが非常に重要であり、弊社は従来からこれらを構築していたのでスムーズに進みました。またHIT社含め、生成AIに適したデータ処理のノウハウを身につけられたのはこれからのAI活用で大きいと見ています。
活用面での課題として、期待する回答を引き出すには、プロンプトの表現も注意が必要です。簡単に・確実に使えるよう、プロンプトをテンプレート化しましたが、このように現場目線とデータソースとをどのように紐づけていくか、というUI的な点も重要になります。
現在もMRからあがってきた声を活かし、より使いやすいシステムとなるよう改善をHIT社と進めていますが、技術革新が激しい分野ですので、断続的にプロジェクトを進めて行く上で信頼できる企業と協業していく、というのがより重要になっている事は間違いありません。
※画面はイメージです。
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